2007年08月02日

熊本県・南阿蘇村周辺 4〜周辺の湧水 (’07年最新)

前回に引き続き南阿蘇村の湧水をお伝えしていきます。
多くの湧水(この辺りでは水源と呼んでいます)には、次ぎのような案内版が立てられ、由来等が紹介されています。


湧沢津水源

『 湧沢津水源 
白水村中松で「清泉が地中から突きあがるように出ている」というのがこの湧沢津水源のことです。
そのきれいな湧水のやわらかさは村内一で、今でも2戸の民家に給水されており、日常生活の飲料水から生活用水まですべてをまかなわれています。湧水地も近所の人たちが、洗濯、その他に使用できるように整備されており、水に親しむことが容易となっています。また、いつも変わらぬ水量は約10町歩を養田しています。
ミネラルデータ 
pH(13℃):7.0 
ナトリウム(mg/L):11.1
カリウム(mg/L):7.89 
カルシウム(mg/L):21.8
マグネシウム(mg/L):6.63
湧水量:毎分約5トン   』


Photo-1:
道沿いの所に湧出しており、何組かの方が水を汲んでいました。


Photo-2:
この辺りから湧出しているようです。水質は、白川水源に近似していると思いますが、電気伝導率はやや低目です。
当日は、水温:16.1  電気伝導率:21mS/m。
水温は案内より高めでした。


寺坂水源

『 寺坂水源 
寺坂水源は、白水村中松の正教寺近くの水源で同寺参拝者たちの御手洗所として親しまれています。正教寺とは
慶長11年(1607年)に法西という僧侶が建立したという由緒ある寺で、その門徒は南阿蘇一帯に広がっています。この水源は地底の砂を勢いよく吹き上げており、その豊かな水量は地域住民の生活用水として今でも貢献しています。簡易水道が普及しているため、飲料水としての使用はされていませんが、附近の人たちの洗濯、農作物の洗浄、農耕機などの洗浄には欠かせません。そのため、水に対する報恩感謝の気持ちは強く、周辺民家の婦人会員が主体となって定期的に水源地のほか、洗い場、水路などの清掃活動も行われています。
熊本県名水百選 昭和60年8月選定 
ミネラルデータ 
pH(13℃):7.2 
ナトリウム(mg/L):11.4
カリウム(mg/L):7.92 
カルシウム(mg/L):19.9
マグネシウム(mg/L):6.78 
湧水量:毎分約5トン  日量 約 7,200トン  』


Photo-3:


Photo-4:
寺坂水源。南阿蘇鉄道の鉄橋の下に湧出しています。
水温:16.3℃  電気伝導率:24.2mS/m。
ほぼ白川水源に一致した水質と思いますが、水温は案内板より2℃ほど高めになっています。温度計の不調?
暫らくいましたが、訪問者は来ませんでした。

池ノ川水源(「池の川」の表記もあります)

『 池ノ川水源
この湧水は、飲料水としては、現在でも簡易水道がありながら「うまい水」を追求する5戸の民家に給水されています。ここでは湧き出る水を飲料水用、生活用水、灌がい用水用とにその水路が分けてあり、飲料水用以外の水路では洗濯、農作物の洗浄など日常生活の密接な関係を保っています。

この湧水地には兜石というものがあり、水量が多くなりこの石が見えなくなった年は雨が多く凶作で、見えている年は日年(ひどし)で豊作になるといわれており、農家としてはこの湧水が灌がい用水だけでなく、その年の豊凶を左右する重要な湧水地となっています。またここには、岩下神社があり毎年7月18日の夏祭り、11月18日の秋祭りを今でも盛大に行われており、各戸から御神酒を持ち寄り「かすあえ」を肴に一晩中語り、飲み明かして水に対する感謝の意を表す風習がすたれることなく続いています。

ミネラルデータ 
pH(13℃):7.3 
ナトリウム(mg/L):10.5
カリウム(mg/L):6.09
カルシウム(mg/L):22.9
マグネシウム(mg/L):6.86 
湧水量:毎分約5トン   』


Photo-5:
湧水は、国道325号線につながる県道39号線沿いに位置しています。


Photo-6:
ここでも何組かの方が水汲みをしていました。


Photo-7:
ここが水汲のポイントです。足場が整備されています。多分ここが水汲みの主要湧水になっているのかも知れません。


Photo-8:
奥まった位置にある湧出点です。そこから砂を噴上げながら湧出しているのがわかります。

案内板での水温、湧水量はやや画一的な気もしますが、湧水量はどこも豊富でした。この辺り一帯には膨大な量の水が湧き出しているようで圧巻です。是非、いくつか訪れてみて下さい。


南阿蘇村のもう一つの名物
水に因んでここには名物が在ります。それは、一度は行ってみたい珍名駅ランキング ベスト1になっている南阿蘇鉄道の駅「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」。日本一長い駅名で有名になりました。他に長い駅名が出来て、二番手になったようですが、路線が廃止になったらしく返り咲きです。


Photo-9:
南阿蘇水の生まれる里白水高原駅。
そろそろお宿に向かう時間のようです。
今日は、南阿蘇の湧水を堪能しました。


湧水の水質や特徴など
南阿蘇村の白川水源を基準に眺めてみると、村内の湧水はほぼパターンが類似しており、重炭酸イオンに硫酸イオンを多量に含んだ湧水と推定出来ます。
その中でも、池の川水源と白川水源、明神池湧水と吉田城御献上汲場が更に類似しているようです。電気伝導率から云っても違いは顕著になっています。また、白川水源から2km近くにある高森のトンネル内湧水は、塩濃度もより少なく、Ca/Mg-HCO3タイプの湧水で、南阿蘇の水とは異なった地下水系の水と云えそうです。


Fig-1 湧水の水質予想ダイアグラム
070730fig-01.gif


Table-1 測定値及び予想値  採水日:’07.3.14

※Na+K:Na換算濃度
 Cl+SO4+NO3:Cl換算濃度

参考文献・備考等
・フリー百科事典「ウィキペディア」

投稿者 waterlife : 11:56 | コメント (0)